2010/03/08

「沈黙の朗読」公演レポート

 一昨日、3月6日は「沈黙の朗読 - 記憶が光速を超えるとき - 」の公演本番だった。そのレポートを、かいつまんで書いておく。

 3月5日。
 日中、ミシマ社とことのは出版のオーディオブックの収録を羽根木の家のスタジオ設備を使ってやる。
 夜。「沈黙の朗読」のオープニングアクトをやってもらう菊地裕貴が来る。あとでわかったことだが、菊地裕貴=きくちゆきは、名前の漢字表記ゆえにオトコだと思いこんでいた人が多数いたらしい。そういう私も、一番最初のときにはオトコだと思いこんでいて、かわいい女の子とわかったときにはびっくりした。
 名古屋からメイン朗読者の榊原忠美氏(バラさん)がやってくる。この人も忠美=ただよしなのだが、表記から女性だと思われることが時々あるようだ。実際には私同様、髭面のいかついおっさんである。
 夕食に東松原の〈スピリット・ブラザーズ〉に行く。マスターと児童福祉施設〈福音寮〉の子どもたちのための朗読プログラムのことなども、ついでに話す。
 羽根木の家に戻り、翌日の打ち合わせ。いろいろと重要なことが決まる。そして機材の準備。

 3月6日。
 早起きして、羽根木の家に行く。機材運びのためにマルさんが車で来てくれる。ほかに、糟谷くんも早朝から来てくれる。
 朝食を食べてから、タクシーとマルさんの車に機材を分載し、人間もそれぞれ乗りこんで、会場の〈plan-B〉に行く。10時に到着。唐さん、せ~じさん、ふなっち、うららさんが直接現地に手伝いに来てくれる。
 さっそく会場設営作業。私は音響機材を中心に、うららさんや糟谷くんが中心になって照明機材のセッティング。plan-Bの西原さんやスタッフの方もいっしょになって。その他、裕貴ちゃんが使ういろいろなもの、受付関係のものなど、並行して。かなり段取りよくスムースに進んだので、予定より早く照明の場当たりとリハーサルに入れた。とくにうららさんには、照明関係で大活躍していただいて、本当に助かった。
 私の使用機材を参考までに。

・アップライトピアノ(plan-B備品)
・シンセサイザー
・MacBookPro 13インチ(サンプリング音出し)
・MacBookPro 15インチ(キーボードと接続した音源と、客入れ音楽用)
・iPhone(Padとシーケンサー)
・ミキサー代わりのMTR

 合間にまりこに頼んだおにぎりやおかずの昼食も食べる。大変おいしい。コンビニの弁当やおにぎりでないことがありがたい。

 14:30、昼の部、開場。雨が強くなってきたなか、たくさんのお客さんが来てくれた。知り合い、知らない人、twitterで見て飛びこみで来てくれた人、mixiで知り合った人など、ありがたい。
 15:00、開演。裕貴ちゃんのオープニングから始まって(20分弱)、そのまま本編へとシームレスに続く。バラさんの変幻自在な読みに、私もいろいろな音、即興的な演奏でからんでいく。自分が異様な集中のなかにいるのを感じる。まったく集中のとぎれることなく、エンディングの「沈黙」を迎える。
 終わったら、来場の方から途切れのない大きな拍手をいただいて、とてもうれしかった。そして、気がついたら、1時間30分が経っていた。予想しなかった長時間の公演になった。それにまったく気をそらすことなくついてきてくれた観客の皆さんには、本当に感謝。
 終わってから何人かから言葉をかけてもらう。かなりインパクトがあったといううれしい言葉もいただいた。もはや「朗読」というジャンルですらない、という言葉も。意外に「沈黙」そのものの時間は短かったが、その時間すら豊穣なイメージに満ちていてまったく予想と違っていた、ともいわれた。いずれもうれしい感想である。

 あまり休む間もなく、次の公演時間が迫ってきた。
 17:30、夜の部、開場。18:00開演。なぜか、夜の部は未到着の人が何人かいて、しかし時間通り来てくれた人のために時間通りスタート。
 昼の部をなぞることなく、あらたな気持ちでやった。うまくいったかどうかは、自分たちではわからない。
 終わってから、いろいろな人に話を聞き、ちょっと「狙い」通りの結果もあったりして、失敗ではなかったと実感した。とくに、我々のパフォーマンス自体が提示作品ではなく、沈黙がやってきたときの観客のなかに生まれる「言葉」や「イメージ」それ自体が作品である、という意図は、思いがけず多くの人に経験してもらえたようだった。夜の部でも、「沈黙」といいながら全然沈黙じゃなかった、いろいろな言葉が聞こえた、といってくれた人が何人かいた。
 ここのところずっと考えていた「現代朗読」の方法が有効であることを確信できた。

 終演後、会場で打ち上げ。20人くらいの人が残って、にぎやかに歓談。ここでもさまざまな話が出た。また、「再演」を望む声もちらほら出て、実現できるかどうかはともかくとしてうれしい限りだ。
 23時、撤収。
 マルさんの車とタクシーに機材を積みこんで、羽根木の家に戻る。身体はもちろん疲れたが、精神的には非常に引きあげられている。
 こうしてみっちりといろいろなことが詰まった濃密な一日が終わった。

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