2010/03/20

「朗読はライブだ!」第三期最終ライブ発表&朗読パーティーレポート

 2010年3月20日、土曜日。
 第三期となる「朗読はライブだ!」ワークショップの最終ライブを兼ねた朗読パーティーを、現代朗読協会「羽根木の家」で開催した。
 奇しくもこの日は、現代朗読協会が特定非営利活動(NPO)法人として東京都から認可を受けた日である。2006年だから、満4年ということになる。まだまだ若い。というより、まだたった4年しか経っていないのか、という感慨がある。私にとってはいろいろなことがびっしりと詰まった4年間である。

 準備のために早めに羽根木の家に行く。11時半すぎ。
 音響関係の準備をひとりでやっていると、小梅ゆかりが来た。今日は暖かく、縁側に日が当たって、看板猫のムイがゴロゴロしている。その写真を撮っている。
 玻瑠あつこと槐なおみが来た。今日の舞台装置である「書」の準備をする。朗読テキストのなかにある言葉をいくつかピックアップして、半紙に墨で書きつけ、部屋のあちこちに張りつけておくのだ。
 ふなっちと佐原さんも来た。出ハケとか、音楽とのからみとか、軽くリハーサル。実をいえば、ワークショップのなかでは音楽と合わせることはまったくやっていなかった。ほとんどまったくのぶっつけ本番で音楽と合わせるのだ。が、このワークショップは、音楽にせよ、オーディエンスにせよ、その当日のその環境、刺激にたいして反応していけるための練習をやっていたわけだから、最終発表といえどもワークの一環なのだ。

 開場時間の午後2時半。お客さんが来始める。家族や知人、友人が中心だが、けっこう満席感となる。
 午後3時、ライブスタート。
 トップバッターは佐原さん。朗読ライブはまったくの初心者で、そもそもひと前でなにかやるということが未経験。それにしては、しっかりと観客に目くばりし、動きもまじえて、堂々とやっている。演目は芥川龍之介のちょっと異色な作品「春の日のさした往来をぶらぶら一人歩いてゐる」。私はマリンバの音を使って共演してみた。
 二番目は小梅さんによる永井荷風の『濹東綺譚』の抜粋。大人なシーンがある部分なのだが、観客に中学生がいたので、ちょっとドキドキ。女の「知らないわよ」という意味ありげなセリフがウケていた。私はピアノの音で共演。
 三番目は槐さん。これもワークショップでは音を合わせることはなかったのだが、今日、初めてピアノの音を合わせることになって、実に生き生きと楽しく読んでくれた。中学校「ホームズ」のときもそうだったのだが、槐さんの動きが目まで楽しませてくれた。お客さんで来られていたご主人が、しきりにケータイで写真を撮られていたのがほほえましかった。
 四番目は玻瑠さん。坂口安吾の「南風譜」という難しい作品を読む。ふなっちがレインスティックで波の音を演出。それと、今日、急にやることにした私のパーカッションの音源を使った即興を合わせてみる。おもしろい効果が出せたと思う。
 ソロ発表の最後は、ふなっちによる「雨ニモ負ケズ」。これはさんざんいろいろな人に読まれていて、いわば「手垢がついた」作品といっていいものだが、ふなっちとの対話のなかで演出ヒントをもらい、とてもユニークなパフォーマンスに仕上がったと思う。もちろんまだまだ未完成な部分はあるが、おもしろかった。もう少し追求したい作品だ。

 ソロ作品が終わったあとは、全員による群読作品の発表。夏目漱石の「声」という短編を群読用に構成した作品。
 これは第一期のライブワークショップの発表でも使ったものだが、当然のことながら出演者が変わるとがらっと違った感じになる。
 お客さんから暖かい拍手をいただいて、全終了。

 終わってから、お茶会。
 お客さんも交えて、全員に自己紹介と感想を聞かせてもらう。それぞれの方の感想が本当に楽しくて、ありがたい。とてもいい会になった。出演者はもちろんのこと、今日の来客の方々のおかげだと思った。
 次回第四期のライブワークショップは、4月18日からスタート予定。初日のみ日曜日だが、あとはいつもどおり、土曜日の開催になる予定。

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